ソリリス®を投与すると、髄膜炎菌に感染しやすくなるの?
ソリリス®を投与していると髄膜炎菌に感染しやすくなるしくみ
ひとの血液の中には補体という成分が存在していて、莢膜で覆われた頑丈な髄膜炎菌に孔をあけることにより直接破壊します。これは、通常の免疫プロセスです。
(くわしい補体の働きについてはこちら)
※イメージであることをご了承ください。
ソリリス®は、攻撃的になった補体の一部に結合して、全身型重症筋無力症患者さんや視神経脊髄炎スペクトラム障害患者さんにおいて、補体が自分自身を攻撃するのを防ぎます。(くわしいソリリス®の働きについてはこちら)
しかし、そうしたソリリス®の作用によって、莢膜をもった細菌に対する補体の攻撃もおさえられてしまいます。そのため、ソリリス®を投与している患者さんでは、髄膜炎菌に感染しやすくなるのです。
※イメージであることをご了承ください。
それぞれの役割
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不活性状態(静かな状態)の補体:
外敵が侵入してきたら、すぐに出動できるよう待機している。
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活性化した(攻撃的になった)補体:
外敵が侵入してきたら、それらを攻撃できるよう変身する。
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髄膜炎菌:
髄膜炎菌感染症の原因となる細菌
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ソリリス®:
攻撃的になった補体にくっついて、補体の攻撃をとめる。
※イメージであることをご了承ください。
ソリリス®を投与された患者さんのうち、髄膜炎菌感染症にかかる割合
2022年10月1日時点の製造販売後安全性情報では、全世界でソリリス®を投与された約78,416.3人年※のうち192人において計229件の髄膜炎菌感染症が報告されました。これは全世界で1,000人年あたり2~3人の報告率、つまり、1,000人に1年間投与したとして、2~3人くらい発現するという計算になります。
※人年:ソリリス®を投与した人数に、投与した期間(年数)をかけあわせた値。たとえば、10人に5年間投与した場合は50人年、10年間投与した場合は100人年となります。