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ソリリス®はエクリズマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体であり、マウス抗ヒト補体C5α鎖抗体の相補性決定部及びヒトフレームワーク部からなります。
ソリリス®は、補体カスケードにおけるヒトC5に特異的に結合し、その開裂を用量依存的に阻害し、C5b-9からなる膜侵襲複合体(MAC)の形成を抑制すると考えられます1)。
引用
1) Rother RP, et al. Nat Biotechnol. 2007; 25(11): 1256-1264.
[利益相反:本論文の著者にはAlexion Pharmaceuticals, Inc.の社員が含まれます]
関連する質問
成人のMGに対するソリリス®の適応は、難治性の全身型MG患者を対象とした海外第Ⅱ相臨床試験C08-0011)、第Ⅲ相国際共同臨床試験(REGAIN試験)及びREGAIN継続試験の3試験結果が、承認時評価資料とされました。ここでは、REGAIN試験及びREGAIN継続試験の結果についてご紹介します。 一部承認外のデータが含まれますが、承認時評価資料ですのでご紹介します。 ●第Ⅲ相国際共同臨床試験(REGAIN試験)2, 3) (無作為化二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相並行群間多施設共同試験) 【試験概要】
治験実施計画書 | 海外規制当局からの指摘を 踏まえて改訂した解析方法 (統計解析計画書第3.0版の主要解析) |
事後解析結果※1 (統計解析計画書第2.0版修正版の主要解析) |
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治験実施計画書
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海外規制当局からの指摘を踏まえて改訂した解析方法 (統計解析計画書第3.0版の主要解析)
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事後解析結果※1 (統計解析計画書第2.0版修正版の主要解析)
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※1 試験を中止した患者をより適切に取り扱うため、事後解析として新たなWorst-Rank解析を実施した。
【有効性:主要評価項目】
※2 順位を応答変数とした投与群及びMGFA分類(クラスⅡa又はⅢa/Ⅳa/Ⅱb又はⅢb/Ⅳb)を因子、MG-ADL総スコアのベースライン値を共変量とした。
【有効性:主要評価項目(MG-ADL)、副次評価項目(QMG、MGC、参考情報:MG-QOL15)】 各総スコアの26週におけるベースラインからの変化量において、ソリリス®群とプラセボ群の間に統計学的に有意な差が認められました。
【安全性】ソリリス®群の53例(85.5%)及びプラセボ群の56例(88.9%)に有害事象が認められました。 ソリリス®群で認められた主な有害事象は、頭痛10例(16.1%)、上気道感染10例(16.1%)、鼻咽頭炎9例(14.5%)、悪心8例(12.9%)、下痢8例(12.9%)、重症筋無力症6例(9.7%)でした。プラセボ群で認められた主な有害事象は、頭痛12例(19.0%)、上気道感染12例(19.0%)、重症筋無力症11例(17.5%)、鼻咽頭炎10例(15.9%)、悪心9例(14.3%)、下痢8例(12.7%)でした。重篤な有害事象はソリリス®群の9例(14.5%)及びプラセボ群の18例(28.6%)に認められ、重症筋無力症[ソリリス®群:5例(8.1%)、プラセボ群:8例(12.7%)]、発熱[ソリリス®群:2例(3.2%)、プラセボ群:0例]及び上気道感染[ソリリス®群:0例、プラセボ群:2例(3.2%)]等でした。投与中止に至った有害事象はソリリス®群の4例に認められ、重症筋無力症クリーゼ、腸管穿孔、前立腺癌、菌血症でした。試験期間中に死亡した例あるいは注目すべき有害事象(AESI)として定義された髄膜炎菌感染症を発現した例はありませんでした。なお、重症筋無力症クリーゼはソリリス®群で1例に認められました。
●第Ⅲ相国際共同臨床試験(REGAIN継続試験)4) (非盲検多施設共同試験)
【試験概要】
【有効性:MG-ADL総スコア(主要評価項目)】
※5 MG-ADL総スコアのベースラインから3ポイント以上の低下を臨床的に意味のある改善とした。
【有効性:QMG総スコア(副次評価項目)】
※6 QMG総スコアのベースラインから5ポイント以上の低下を臨床的に意味のある改善とした。
【安全性】 REGAIN継続試験に移行した患者のうち、ソリリス®/ソリリス®群の52例(92.9%)及びプラセボ/ソリリス®群の55例(90.2%)に有害事象が認められました。主な有害事象は、ソリリス®/ソリリス®群では鼻咽頭炎15例(26.8%)、頭痛11例(19.6%)、関節痛10例(17.9%)、下痢9例(16.1%)、重症筋無力症9例(16.1%)、上気道感染8例(14.3%)、プラセボ/ソリリス®群では、頭痛20例(32.8%)、鼻咽頭炎13例(21.3%)、下痢8例(13.1%)、重症筋無力症8例(13.1%)、悪心8例(13.1%)、四肢痛7例(11.5%)でした。 重篤な有害事象はソリリス®/ソリリス®群の17例(30.4%)及びプラセボ/ソリリス®群の18例(29.5%)に認められ、5%以上に認められた重篤な有害事象はいずれの群も重症筋無力症でした。投与中止に至った有害事象はプラセボ/ソリリス®群及びソリリス®/ソリリス®群の各1例に認められ、いずれも重症筋無力症でした。有害事象による死亡はソリリス®/ソリリス®群で1例(サイトメガロウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症)に認められました。
臨床試験の詳細をまとめたパンフレットがあります。ご参照ください。
引用 1)社内資料:海外第Ⅱ相臨床試験(C08-001)(承認時評価資料) 2)社内資料:第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検比較臨床試験(ECU-MG-301)(承認時評価資料) 3)Howard JF Jr, et al. Lancet Neurol 2017; 16: 976-986. [利益相反:本試験はAlexion Pharmaceuticals, Inc.の支援のもと実施されました] 4)社内資料:第Ⅲ相ECU-MG-301継続試験(ECU-MG-302)(承認時評価資料)
関連する質問
小児のMGに対するソリリス®の用法及び用量の追加は、難治性の全身型MG患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(ECU-MG-303試験)の結果が、承認時評価資料とされました。 一部承認外のデータが含まれますが、承認時評価資料ですのでご紹介します。 ●第Ⅲ相国際共同臨床試験(ECU-MG-303試験)1) (非盲検単群多施設共同試験) 【試験概要】
体重※1 | 導入期 | 維持期 |
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体重※140kg以上 | 導入期1回900mgを週1回で計4回 | 維持期初回投与4週間後から1回1200mgを2週に1回 |
体重※130kg以上40kg未満 | 導入期1回600mgを週1回で計2回 | 維持期初回投与2週間後から1回900mgを2週に1回 |
体重※120kg以上30kg未満 | 導入期1回600mgを週1回で計2回 | 維持期初回投与2週間後から1回600mgを2週に1回 |
体重※110kg以上20kg未満 | 導入期1回600mgを週1回で計1回 | 維持期初回投与1週間後から1回300mgを2週に1回 |
体重※1 | 導入期 | 維持期 | ||
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補充投与量 | 総投与量 | 補充投与量 | 総投与量 | |
体重※140kg以上 | 導入期 補充投与量600mg | 導入期 総投与量1500mg | 維持期 補充投与量600mg | 維持期 総投与量1800mg |
体重※130kg以上40kg未満 | 導入期 補充投与量300mg | 導入期 総投与量900mg | 維持期 補充投与量600mg | 維持期 総投与量1500mg |
体重※120kg以上30kg未満 | 導入期 補充投与量300mg | 導入期 総投与量900mg | 維持期 補充投与量300mg | 維持期 総投与量900mg |
体重※110kg以上20kg未満 | 導入期 補充投与量300mg | 導入期 総投与量900mg | 維持期 補充投与量300mg | 維持期 総投与量600mg |
※1 各投与日の来院時に測定された体重に基づく。 ※2 本邦ではIVIgには小児におけるMGの適応はない。
投与期間は、主要評価投与期が26週間、継続投与期が最長208週間(継続中)とした。【有効性:主要評価項目】
SE:標準誤差 *p=0.0009、ベースライン時点のQMG総スコア及び来院を共変量としたMMRMに基づく制限付き最尤法(最小二乗平均値が0 に等しいかを検定)
【安全性】52週データカットオフ日までに、11例全例(100%)に有害事象が発現しました。主な有害事象(20%以上の発現割合)は、発熱、頭痛及び上咽頭炎各4例(36.4%)、腹痛及び四肢痛各3例(27.3%)でした。 重篤な有害事象は3例(27.3%)に認められ、重症筋無力症クリーゼ1例、重症筋無力症及び発熱(重複)1例、扁桃周囲膿瘍1例でした。このうち、扁桃周囲膿瘍は、治験責任医師によりソリリス®との関連性が否定できないと判断されました。 死亡及び投与中止に至った有害事象は認められませんでした。 注目すべき有害事象※3は4例に認められましたが(扁桃周囲膿瘍1例、そう痒性皮疹1例、発疹1例、湿疹・発疹・蕁麻疹1例)、注目すべき有害事象※3として定義された髄膜炎菌感染、アスペルギルス感染及び敗血症は認められませんでした。
※3 注目すべき有害事象:髄膜炎菌感染、アスペルギルス感染、敗血症、その他の重篤な感染及び注入に伴う反応。
臨床試験の詳細をまとめたパンフレットがあります。ご参照ください。
引用 1)社内資料:第Ⅲ相ECU-MG-303試験(承認時評価資料)
関連する質問
ソリリス®の全身型MG患者を対象とした臨床試験では、ほとんどの治療反応例で投与開始後12週までに症状の改善が得られていました。全身型MG患者で他の免疫抑制剤を併用している患者さんにおいては、髄膜炎菌感染症のリスクが高い可能性があることから、リスクベネフィットを考慮し、投与開始後12 週までに症状の改善が認められない患者さんでは、ソリリス®の投与中止を検討してください。
関連する質問
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